なぜミツバチ記念硬貨を発行?

 ニュージーランドで養蜂に使われているのは海外から導入されたセイヨウミツバチです.オセアニアには旧大陸とは異なる種類の植物が多種ありますが,ミツバチは新しい土地の植物にもなじみ,ユニークで貴重な甘味を食卓にとどけました.

 ミツバチの病気予防対策や望ましい蜂群管理手順など,付加価値を高める官民一体となった進んだ養蜂技術が知られています.

 果実や野菜の花粉媒介サービスに加えて,何種類ものハチミツがNZで生産されている.英国王室御用達のポフツカワの柔らかな味,はっきりした香りのカマヒやレワレワ,そして堅くジェリー状に結晶したマヌカなど,その種類は数多くまたわが国固有の植物に由来するユニークなハチミツだ.

 マヌカハチミツのもつ天然の抗菌性から発展した健康食品が国際市場に参入した.昨年だけでもNZはハチミツを約3億NZドル輸出している.残念なことにミツバチは世界各地で深刻な害敵や病気の被害を受けている,わが国では特にミツバチヘギイタダニによる害が大きい.この収集向きの法定貨幣記念コインは食料生産におけるミツバチの不可欠な役割に皆さんの注意を喚起するために製造された.

 六角形のコインはハナ・スタンクリフ-ホワイトのデザイン,NZ連邦準備銀行のためにBHメイヤーズ造幣所(有)が鋳造した.裏面にはミツバチが巣板につくる巣房の六角形のモチーフがある.働き蜂はハニカム構造の巣房を作り,そこに花蜜と花粉を貯める.六角形の巣房では幼虫も育てられる.コインのミツバチは立体的に作られカラー印刷を施されて命を与えられた.巣房上にとまっているようにセットされており,一部の巣房にはこはく色の透明な樹脂が満たされていて,まるで本物のハチミツのようである.