ハチミツ品評会 その2

品評会では液体ハチミツ,クリームハチミツ,巣蜜入りハチミツ,巣蜜など多数の部門が用意され,より多くの養蜂家が出品参加できるよう配慮されています.審査員への注意に,「サンプルをとるとき出品物を損なわぬこと.出品者は別の品評会にもこれで応募したいかもしれない.クリームハチミツでは容器の端からサンプルをとり,巣蜜でも切り口の巣房を1,2個取ること.出品物にこのような慎重なサンプリングの跡があっても審査上は無視する.ハチミツを口に運ぶときはガラス棒を使い,指の活用は慎む」など実際的で愉快です.

 いっぽう「出品者から質問をうけ,コメントを求められたら,答えられるように備える.小規模な展示会では,教育的な要素が特に歓迎され重要.減点票の有効利用を検討して欲しい」とも.減点票はこのようなものです.

- - - - - ○○養蜂協会 ◇◇部門 出品番号△△△

減点項目:夾雑物  粘度  ビンと蓋  蜂ロウの表面  味/香り  その他  結晶化  発酵 

上記チェック項目が,この出品物について私が見つけた主な減点である.次回以降この面が改良されることを願って,この情報を伝える.審査員署名 - - - - - - 

 かっこいいですね.具体的審査手順のごく一部しかお伝えできませんが,花蜜由来液体ハチミツ部門の最初のチェック項目はハチミツの色です.出品部門が正しいか疑問があるときは,瓶の後に白い紙を立てて,英国標準ハチミツ色識別ガラスと比較確認.展示会の規模が小さいときは,主催者/世話役と合意の上,正しい部門に出品を変更する.それができない場合は,却下とするとあります.

 ハチミツがくすんで見えるときは結晶化か発酵が始まったところかもしれないので減点対象.夾雑物では黒い微少片,毛髪,ミツバチの体の一部など異質物を慎重に探す.認められたときは却下.瓶の下部につよい明かりを当てると見えやすい.つぎに蓋を1瓶開けてすぐに香りをチェック,不快な香りがあれば減点し,試食時に香りを再度確かめる.香りがほとんどない,味が「芳醇」でないときは,ハチミツが古いか加熱しすぎが疑われるので減点.粘性の試験はガラス棒を用いる.香りと味が満足できるものであれば,より粘性が高いハチミツに高得点をと.

 そのほか各種ハチミツについてもその特色に応じたチェック事項があげてあり,審査員と世話役はそれらを十分にわきまえたうえで,審査を進めます.また養蜂協会は会員に品評会で何が審査されるのかをつたえ,望ましいハチミツを生産加工して仕上げるための技術指導もおこたりません.