ミツバチからの贈り物- ハチミツ その4 ミツバチのはたらき

ハチミツはミツバチが花蜜からつくります(一部例外もあります).巣箱内では多数の働き蜂がブーンと低い音を響かせながらいろいろな仕事をしていて,外から持ち込まれた花蜜もしだいに熟成したハチミツへと変化します.働きバチ1匹がその一生のあいだにつくるハチミツは茶さじ半分程度.たくさんのハチが営々と働いて,コロニー内にハチミツを貯めていくのです.

 巣箱から多様なハチミツが収穫されます.ミツバチは日本だけでなく,アラスカでも,ヒマラヤでも,アフリカや南米の各地,オーストラリアの南端,タスマニアでもハチミツを作っているので,世界全体でどれだけ多様なハチミツがあるかとても数えきれません.その多くは生産量がすくなく,限られた季節に採蜜されて,地産地消,外の市場には出回りません.

 ミツバチがどんな花から花蜜や花粉を集めたのか,どの時期に,どこで集めたか.これらの要素が組み合わさって,微妙にことなる,あるいは全然違う,さまざまな色と味,香りを持つハチミツができあがります.ほとんど透明に近いものから薄いレモン色,多様な琥珀色,さらには糖蜜のように濃い色まで,ご覧になったことありますか.

 働きバチはさなぎから成虫になり,巣の中の仕事を日齢に応じてしたあとで,21日齢ころに巣から飛び出して水,花粉,花蜜あるいはプロポリスを採集に行く外勤蜂になります.巣門の近くで盛んにダンスを踊る蜂からこの日の有望な花蜜源の方角,距離,においなどの情報を得たら,その花めざして飛び出します.花粉を媒介してもらおうと待っている花には,ミツバチの目にみえるように,花蜜の位置を示す模様があるそうです.それを頼りに花弁に着陸,花の中にもぐりこんで花蜜を吸い上げます.望ましい蜜だと判断したら,周囲に咲く同種の花を次々訪れて,さらに蜜を集めます.良い花粉のある種なら花の上をぐるぐる歩いて花粉を体につけ,6本の脚をうまく使ってまとめていき,花蜜を少し加えて後ろ脚にある花粉かごに貯えます.体内の蜜胃に花蜜が十分貯まれば,帰巣です.