ミツバチは危険動物!?

でも日本では学校や父兄の側に「ミツバチ=刺す危険な動物」との拒絶反応がまずあります.たしかにスズメバチ,アシナガバチ,ミツバチなど蜂類に刺されて命を失う人が毎年約20名いますので,無視できません.ただ刺害事故は体が大きく,毒性もつよいスズメバチ類で多く発生し,特に8月から10月までの間に集中しているそうです.

ミツバチを安全に観察するために,巣箱側面を素通しのガラス板などで作り,巣板の両面を見えるようにした観察巣箱があります.展示中も蜂が屋外と行き来できるように通路をつくり,食糧,温度・湿度の管理,ガラス板に蜂がロウやプロポリスをつけて,見えにくくしていないかなど,注意が必要ですが,巣板上の蜂たちをじっくり観察できてとても楽しいものです.
屋外で巣箱の蓋をあけてミツバチを見せてもらうときは,養蜂家の注意をよく聞き,指示に従ってください.無用な危険を招かないために注意すべき点があります.ミツバチは自分たちの巣(=巣箱)を(黒っぽい熊のような)敵から守ろうと刺しにくるのですから,相手を刺激せず,防御モードにさせないことが大切.
【避けるべきこと】巣箱にぶつかる,ものをぶつける,勝手にふたを開ける,巣門の前に立つ(蜂の通路を妨害),寒い日や雨の日の見学,黒っぽい服装,香水や化粧品の強い匂い,アルコールのにおい,虫よけスプレー(殺虫剤),大声や嬌声を出す,急に走ったり,手で激しく蜂を払う.
おこったミツバチは同じ人の周りをしつこく,羽音高く飛び回ります.頭部や眼を刺しに来ますので,頭を下げ手で目をガードしつつ,ゆっくり巣から離れましょう.縁のある帽子と面布(ミツバチが迷い込みにくいようメッシュ布の端をおさえられる),長袖長ズボン(袖口,裾,首回りがしめられるもの)などの装備で危険を最大限回避しましょう.最近は一体型ミツバチ用防護服なども入手できます.