滑走路のミツバチ 2 米国・シカゴ

多数の蜂群を設置するという米国・シカゴのオヘア空港の蜂場については昨年6月のポリネーター週間に合わせて,シカゴ航空局のサイトによい記事がありましたのでご紹介します.ユニークな地域社会貢献を組み込んだ,とても興味深い養蜂活動です.

『オヘア国際空港にあるシカゴ航空局蜂場は誇りをもってポリネーター週間とオバマ大統領の〈ミツバチと他の送粉者の健康促進を図る全国戦略〉覚書を支持する.世界最大規模のオヘア空港蜂場は2011年に28群で開始,翌年には50群,本年は75群にまで拡大している.空港施設内に蜂場を設置したのは合衆国でオヘアが最初である.

 私たちが食べる食糧の約1/3をハナバチ類が花粉媒介している.つまりリンゴ,モモ,キウィ,チェリー,ブルーベリー,クランベリー,イチゴ,ナッツ類,アボカド,大豆,アスパラガス,ブロッコリー,セロリ,カボチャ,キュウリ,そして色々なメロンなどである.ミツバチによるポリネーションだけで合衆国の農業生産が年間150億ドル増加している.

 科学者はハナバチ類,鳥類,コウモリの仲間や蝶類がこの10年で急激に減少した原因にダニなどの寄生生物や殺虫剤が関係すると考えている.イリノイ大学の2010年の研究では調査した複数のマルハナバチ種のうち約半数が減少傾向にあり,中には96%も減った種があった.生息分布地域も最高87%縮小していた.』

 日ごろ口にするどれほど多種な食べ物がミツバチの世話になっているか,よく覚えておきたいです.ポリネーター週間についてはすでにご紹介したのでここでは省略させていただき,次項では社会活動の側面を.