滑走路のミツバチ 1 カナダ・モントリオール

英国の養蜂雑誌ビークラフトの4月号に,カナダ・モントリオールの空港に新しく蜂場ができたとの記事がありました.空港に蜂群を置くことはじつはすでに以前から行われていて,世界最大規模のものは75群を設置する米国・シカゴのオヘア空港なのだそうです.

『2014年6月にカナダのモントリオール・ミラベル国際空港に巣箱が設置された.これはモントリオール空港環境プログラムの一環としての措置である.建造物が建てられない空港内の敷地でミツバチを飼えば,手っ取り早く,かつ有効な緑化対策となるだろう.すでに複数の空港がミツバチ飼養をしており,世界最大の蜂場はシカゴのオヘア空港にある』とビークラフト誌は伝えました.

ネットで調べて見るとモントリオール市郊外にあるミラベル空港は,1976年のオリンピック開催にあわせて開港.その後航空事情が変化し,より中心部に近いモントリオール・トルドー(ドルバル)空港がメインになり,ミラベル空港は2004年10月より貨物便及びチャーター機のみの利用になったとのこと.敷地に十分な余裕がありそうですね.

広大な敷地の薬剤散布や除草回数を減らして,春から秋までミツバチの花蜜源,花粉源となる多様な植物種を増やし,草地での自然な開花を促進すれば,ミツバチは空港内で大活躍できるでしょう.そのような生息適地があればマルハナバチなど,急激な減少が懸念されている他のハナバチ類や蝶類にも歓迎されるはずです.セキュリティ面で縛りがある空港用地の有効活用として,良いアイディアですね.