シカゴ オヘア空港蜂場の社会活動

現在75群を擁するオヘア蜂場はその活動目的として,地域のミツバチ生息数を安定させる,一般に対する啓蒙活動,そして蜂群崩壊症候群およびシカゴ地域の天候に耐えうる優良系統育種の研究活動をあげています.

オバマ大統領の地元ですから送粉者の健康促進を訴える昨年6月の覚書とポリネーター週間を熱心に支援するのも当然です.

 さらにシカゴらしい活動だと私が思ったのはその運営方法です.シカゴの貧しい地域で育つ若者が生きのびるために否応なく,不法行為に関係するような状況をテレビドラマや小説で見聞きしました.航空局はノースローンデール雇用ネット(NLEN),シカゴ市家族支援サービスなどと協力,NLENが進める刑務所から出所する市民の社会復帰促進のために,就業経験と収入を得る場を広げる活動にオヘア蜂場での養蜂を提供しています.

 NLENが事業を運営し,Sweet Beginningsというブランドでハチミツや化粧品を販売しています.巣板からハチミツを抽出する採蜜作業やその後の加工処理も雇用ネットに雇われた元受刑者の人々が行い,シカゴ市内の自然豊かな環境(こちらのサイトではあえて空港と言及していません)で,抗生物質などの投薬は一切なしの健康な蜂群から取れたと自慢するハチミツを一群あたり年間約35lb.収穫.瓶詰ハチミツはSweet Beginningsブランドの他の beelove™製品ととともに,シカゴのオヘア空港,ミッドウェー空港のハドソン・ニュース売店,Sweet Beginningsのオンラインショップ,さらに自然食品のWhole Foods や 高級食料品チェーンMariano'sで販売されているとのこと.

 Beelove™ハチミツは空港蜂場産であることをアピールすべく,コンテスト入賞経験を持つセレブ・シェフ,リック・ベイレス氏のTortas Frontera レストランでも使われ,彼の店はオヘア空港のターミナル1,2および5にあるそうです.オヘア空港で乗り換えを待つ機会があれば,売店やレストランを探してみたいですね.ミツバチと人との関わりの深さ,幅広さを改めて考えさせられました.