ミツバチに今 必要なもの 英米の新しい動き

10月に韓国で開かれたCOP12(国連気候変動枠組条約第12回締約国会議)に国連食糧農業機関(FAO)が,ミツバチなど花粉を運ぶ昆虫は農作物の生産量増加や質の向上に大きな役割を果たす一方で,各国で生息状況の悪化が目立ち,保護対策が急務だとする報告書を寄せました.

世界各地でのミツバチの異変について,状況を正しく把握して対策を講じるために,新たに多くの資金が投じられ,多方面からの調査研究が行われています.蜂群の越冬を助けるために積極的に給餌するなどの対策は一定の効果を上げました.ここにきて,ミツバチを長く研究してきた,養蜂事情にも詳しい多数の専門家から,ミツバチの健康を取り戻すためには,彼らの生息しやすい豊かな植物相を持つ環境を確保することが急務だとの声があがっています.季節ごとにいろいろ開花する放牧地や空き地,耕作放棄地はミツバチだけでなく,多様なポリネーターの生息に適した場所です.それがどこもかしこもバイオ燃料向けに大豆やトウモロコシを大規模に単一栽培する集約的農業の畑となり,隅々まで農薬が散布されるようになったらどうなるか.

私が購読する養蜂雑誌も関連した動きを次々に伝えています.今回はイギリスの「ハナバチ類に必要なもの Bees’ Needs」キャンペーンとアメリカのミツバチの食糧と栄養サミットのニュースのご紹介です.

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