ハナバチ類に必要なものキャンペーン

ビークラフト誌9月号によると,英国政府,環境・食料・農村地域省(Defra)担当大臣ディ・モーリー卿が「ハナバチ類に必要なもの Bees’ Needs」キャンペーンの開始を宣言しました.英国内には少なくとも1500種の送粉昆虫がいて,26種のマルハナバチ,260種の単性の蜂,セイヨウミツバチ,さらに何百タイプものハナアブ,甲虫,蝶やガが含まれます.

キャンペーンは国のポリネーター保全政策策定に合わせ,多くの一般の人々がハナバチ類や蝶類などの花粉媒介者を支援するために,今すぐ行動を起こすよう促すもので,英国内の自然環境を次世代にわたって保全,強化,管理し,ひいては環境維持開発に貢献するため,既存の縦割り組織を統合して設立された政府系機関であるナチュラル・イングランドと,食料環境研究庁,環境保全支援組織,および学術分野の専門家が,具体的でわかりやすい5つの活動目標を提案しています:

①花蜜と花粉を豊富に提供する花卉,低木,樹木をもっとたくさん育てよう

②植物が自生できる場所をあちこちに残しておこう

③草刈りの回数を減らそう

④昆虫の巣を見つけたら壊さずに,越冬中の虫を見つけたら邪魔せずに,見守ろう

⑤殺虫剤を使うか否か,慎重に検討してみよう

 

「ハナバチ類に必要なもの Bees’ Needs」キャンペーンのウェブサイト(ユーチューブ)では6分余りの大変キュートなアニメーションを見せています.ホワイトボード上に手書きで多様なハナバチのイラストとともに次々に描かれていくメッセージは; 訪花して花蜜と花粉を集めるハナバチ類の行動が果樹などの豊かな実りをもたらすこと,生物多様性と環境保全の意義,英国のポリネーターは養蜂家が飼養するミツバチと野生のハナバチ,ハナアブ,甲虫と蝶やガなどだが,ハナバチ類が減少していること,いくつかの要因が彼らの食糧と生息地をうばって生存を脅かしている現状の指摘.次に国のポリネーター保全対策として,学術研究と広範な生息状況調査を進めると同時に,多くの人々に今すぐ行動してほしいと呼び掛けて,5つの活動目標を具体的に図説します.①では四季それぞれの花を育ててほしいこと,②はポリネーターの営巣場所,採餌場所として,人の手を入れすぎない,岩や雑草がのこる土地に大きな価値があること,⑤は薬剤のラベル表示をよく読み,送粉者への危険を十分理解することを求めています.一度ご覧になってくださいね.

https://www.youtube.com/watch?v=7uVeyH7XQXg