ポリネーターウィーク

米国では2006年に."ポリネーター(送粉/花粉媒介者)が生態系の健全さと農業/食糧安全保障に対してもつ重要性を認識するための『ポリネーターウィーク』“を合衆国上院が創設し,それ以来ポリネーターの保全,教育,研究活動組織がつくられ,この時期に教育的な催しを開催する各州や地域の団体が増えています.

2014年のポリネーターウィークは6月16-22日でした.http://pollinator.org/pollinator_week_2014.htm


ポリネーターウィークを主催するこのウェブサイトではただ今誇らしげに,ホワイトハウスの執務室で覚書に署名するオバマ米大統領と,小学生と一緒に野菜の苗の植え付け作業をするミシェル夫人の姿を掲げています.オバマ大統領は、食糧安全保障に不可欠なミツバチなどの減少を食い止めるため、関係省庁で組織する作業部会を設置し、原因の究明や保護対策に乗り出すとの覚書を6月20日に発表しました.ホワイトハウス敷地内にハナバチ類,モナーク蝶,そのほかの花粉媒介者を支える,ポリネーターガーデンも初めて作られたそうです.


ホワイトハウスのブログでは,"私たちが普段食べる食品の2/3近くがハナバチ類の受粉によりつくられます.ですから,昨日ここの庭でも行われたように,身近に花粉媒介を支援する植物を育てるのは大切なことです.このポリネーターのための庭は同時に,米国全土でポリネーターを苦しめている環境破壊の危険について,皆さんの注意を喚起する役割も持っています“と解説していました.


作業部会は180日以内に具体的な計画を立案するそうですが,関係者としてアメリカ合衆国住宅都市開発省,運輸省,エネルギー省など,ポリネーターの生息適地を消滅させた土地利用の問題に大きくかかわっていた関係方面が,当事者として含めてあるのをみて,米国の食糧安全保障に対する本気さを見るとともに,日本と比べて,うらやましさを禁じえませんでした.

   
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