ビーズフォディベロップメントからの手紙 その1

 美しく素晴らしいお天気の5月になりました.ところが今年は新型コロナウイルス対策で私たち人間は活動が制限されており,ミツバチの方がよほど遠くに自由に飛び回っています.

 本当にそうなのです.イギリス・ウェールズのモンマスにある私たちの活動拠点でこの手紙を皆さんあてに書いていたら,分蜂群が飛来して,建物の横に置いてあるビーハウスに落ち着きそうです.

 (Facebook の Bees for Development, 5月3日のポストビデオをぜひご覧ください.ビーハウスは養蜂用巣箱ではありません.野鳥のために庭や林に巣箱をかけるのと同様に,野生ミツバチ群が自由に居心地よく暮らす場所を提供しようというものです.ミツバチが分蜂して新しい営巣先を探すときに,探索蜂が吟味して望ましいと判断する閉鎖空間の大きさに設計された箱で,内部も工夫してあって,ミツバチの行動研究で世界に知られたコーネル大学のT.D. シーリー教授のお墨付きです.)

 ここ数日,探索蜂がビーハウスを訪れていることに気づいていましたが,どうやらこの分蜂群はついに衆議一決して,新居に皆でやってきたようです.

 (シーリー教授の「ミツバチの会議」をお読みになりましたか?分蜂群が女王蜂と共にこれまで暮らした巣箱を旧女王蜂とともに飛び出して,仮の場所に集合し,探索蜂が移住先として探してきたいくつかの候補から,最終的に一つを選ぶまでのプロセスが詳しく分かりやすく述べられています.)

 私たちは養蜂技術を伝えるときに,分蜂群の待ち受け巣箱は地面から2メートル以上高い場所に設置すべきと言っているのですが,このビーハウスはサンプルとして地面ちかくに置いていました.しかもまわりに建物が建ち並び,ミツバチの営巣場所として最適とはいえません.でも,ここを選んでくれたミツバチコロニーを心から歓迎します.