Apimondia2019  ⑤ カナダ養蜂の現状 

養蜂業界は急成長中! 8,400名以上の養蜂家が,67.2万群以上を飼養しており,カナダの養蜂業界は活気に満ち繁栄している.2013年の総飼養蜂群数は過去五年間の平均蜂群数を9%上回った.大多数の蜂群はプレーリー(平原/中央部の大草原)にいて,昼の長い夏季に大いに採餌する.アルバータ,サスカチュワン,マニトバの3州からカナダのハチミツ総生産量の84%が生産されている.国内総生産量は約3.4万t,金額にして1億7千8百万カナダドル以上にのぼる.

引用: http://keynoters.co.jp/images/sample/canadama

カナダの養蜂家数は増加している.2009年から2015年まで増加は継続,ノバスコシア州は2013年に16%増と,これまで最大の増加割合となった.全国8,483名中3,150名とオンタリオ州はこれまで同様,最大の養蜂家数をもち,アルバータ州には28万群以上と,国内最大数の蜂群がいる.我が国はハチミツ輸出国であり,最大の相手国米国には総輸出量の77 %が向かう.2位,3位は日本と中国である.

東部と西部

6つの州に養蜂家の7割が居住する.商業養蜂家は東部と西のブリティッシュコロンビア(BC)州にいて,経営規模は50群程度の小規模養蜂から5,000群レベルまで,平均飼養群数は600群.

大平原/プレーリー

アルバータ,サスカチュワン,マニトバの平原3州はカナダのハチミツ生産中心地.約47.5万群が飼養され,国内産ハチミツの80%を生産する.この地域の養蜂企業は500-2.5万群を飼養.高収量キャノーラハイブリッド種の花粉媒介はアルバータの重要産業であり, 7.5万群が従事.

 

ミツバチの農作物への花粉媒介: カナダのキャノーラ/アブラナ生産は世界一

カナダ養蜂業界の主要な活動はキャノーラの送粉である.毎年約30万群(全国蜂群数の半分)が,屋外で花粉媒介し,キャノーラ種の種子生産(1,260万t/年)に貢献する.さらに別の7.5万群(全国蜂群数の約12%)は特別なキャノーラハイブリッド種の花粉媒介を担う.この交配種の種子生産事業は特定の遺伝子系統の花粉をミツバチが送粉することに依存している.

ブルーベリー生産は世界2位,リンゴは16位

北米は世界のブルーベリー生産の75%を担い,カナダの養蜂家はブルーベリーの花粉媒介に約3.5万群を用意する.果樹類の送粉には約1.5万群が供給されている.

 

ハチミツ生産と越冬

平原3州のハチミツ生産時期は5月から8月の4ヶ月間つづく.東海岸のケベックとニューブランズウィック州北部ではやや短く,5月半ばから9月半ばまで.それ以外の地域のハチミツ生産時期は4月から10月,また西海岸のBC州では養蜂活動期がもう少し長くなる.ケベック州の蜂群の多くは屋内で越冬する.この越冬方法は平原諸州やBC州北部でも広まりつつある.それ以外の地域での主な蜂群越冬方法は,屋外の巣箱を様々な断熱素材で包装するものである.いくつかの異なる蜂群管理手法によって,蜂群を単箱だけでなく,2段箱,3段箱で越冬させることが可能である.

 

表は Statistics Canada (CANSIM Table 001-0007) より.養蜂家数は採蜜しないポリネーション専門も含む