巣箱の置きかたと注意点 その1

米国のAmerican Bee Journalと Bee Cultureをはじめ,中国,アルゼンチン,トルコなど世界の養蜂大国では月刊養蜂雑誌が発行され,飼養技術をはじめ養蜂関連情報が公開されています.初心者がミツバチを巣箱で飼養するなら,始める前に知っておくべきポイントなどもくりかえし取り上げられますが.養蜂実技に関する書籍が不思議なほど少ししか出版されていない日本では,目にする機会が少ないので,ほんの一部ですがご紹介しましょう.

 ミツバチは小さな昆虫ですが,立派な家畜であり,彼らの生活を快適に安全に保つ責任が養蜂家にあります.同時にあなた自身,ご家族,ペット,そして最も重要な対象ですがあなたのご近所や一般の人々の快適で安全な生活への責任もあるわけです.以下に巣箱の設置にかかわる要点をいくつか挙げます

○ 隣人や一般の人を考慮して,巣箱の巣門を高い生け垣や紗幕に向き合うように置く.ミツバチはじゃまものを跳び越えようと,巣門から出るとすぐに高く飛び上がる.一度高く飛びあがると,その後もミツバチは人々の行動と交差しない,高い場所にとどまりがちである

○ あなたが巣箱の正面から近づくような向きに置くのはさけよう.ミツバチの飛行ルートを邪魔すると痛い目に遭う.巣箱の後や横から近づけるように考えよう

○ 強い風が巣箱にあたらないように風よけ対策を

○ 日当たりの良い場所を選ぼう.巣門に早朝から日が当たれば,蜂の飛行を促す.南向きは具合良いが,必ずしも必須ではない.巣箱に日中の強い日差しを少し和らげる影がかかるのは悪くない

○ できるかぎり巣箱周囲の作業スペースを広く確保する

○ 巣箱は一列に並べるより不規則におくことで,蜂の別の巣箱への迷い込み予防対策となる

○ しめった地面,霜のおりる窪地はさける

○ 通いやすい場所が良い.重い養蜂器具や装備を持って長く歩いたり,いくつも柵をこえるなどは避けたい.冬の間にも時々見回る必要があることをお忘れなく