春を待つ日々  その2

 Bee Craftは月刊雑誌なので,季節に合わせた蜂群飼養管理技術をかなり具体的に毎号掲載します.花粉媒介昆虫の危機を理解し,彼らに必要な環境の保全にも協力しようとの思いから趣味養蜂を始めた,入門レベルの購読者が近年多数いるので,ベテランが自分のノウハウを開示する連載記事なども.概して英国人は分かり易く教えるのが好きだし,うまいですね. 

 さらに購読者にはほぼ毎週,お役立ちメールがとどきます.

写真は昨年2月号の表紙.こうして巣箱を開けてゆっくり内検できる春の到来を今か今かと待っているのでしょう.

 Timely Reminder (タイムリーリマインダー)と命名されたメールはBee Craft 購読者のメールアドレスに届きます.年間40回以上発信する大変な仕事なので1年ごとに担当者が変わりますが,今このタイミングでやるべきこと,知っておきたいことを伝えます.侵入種であるアシナガバチが大陸からとうとう英国に到着したとのニュースが伝えられた昨秋は,あなたも見かけたらここに連絡せよと,機動性のある仕事をしていました.

 ちなみに先週来たメールは3月3日開催予定の春の養蜂展示会(Bee Tradex)に関しての追加情報.展示会に参加するBee Craftは,養蜂初心者のための相談デスクを設けた,各地の養蜂組織からベテランがボランティアで対応するので,是非どうぞとのことでした.寒波来襲ですが3月3日,役に立ちそうな講演も沢山予定されています.穏やかな陽気になるとよいですね.

 Bee Craftのウェブページには過去記事など膨大で有用な情報があり,養蜂技術や病害敵についての詳細などはTimely Reminderからリンクされているので,簡単に発掘できます.

 英国も狭い島国なので,養蜂器具の会社以外に大きな養蜂企業などはありません.趣味養蜂が中心.だからなのかもしれませんが,地域ごとに養蜂組織を作り,自分たちで教え合い,養蜂雑誌に投稿したり,本を書いたり,ミツバチと養蜂に関わる数多の情報が発信,公開されています.自国の,あるいは世界各地の養蜂を援助する慈善活動などもすぐに大きく支援の輪が広がるようです.

 色々な面で日本の環境が同じでないことはわかりますが,大切で有用な情報を多くの人が共有できないままミツバチを飼っている現状はまことに残念です.