春を待つ日々 その1

 ひどい冬ですね.昨年末から米国は記録的大寒波におそわれて,日本にも低温と冬の嵐が繰り返し来襲して,野菜が高騰.遅れた梅も開花しはじめ,私たちはやれやれ春がもうすぐだと期待する2月末に,寒波がこんどはフランス,イギリスをめがけて東から吹き出しています.

 越冬してきた蜂群が春を前に活動を始めようという冬の終わりは,ミツバチに一番厳しい,難しい時期です.そこに寒波で大雪!? イギリスのミツバチは大丈夫でしょうか.とても心配です.

 届いたばかりの英国の養蜂雑誌Bee Craft (ビークラフト)3月号を開けると,巻頭言で編集長がさっそく,この時期の蜜切れについて強い調子で警告しています.一部をご紹介.

 「数ヶ月続く越冬期間中に,ミツバチは貯蜜を少しずつ消費しつづけていると考えがちですが,実はちがいます.春になった頃から消費スピードがあがり,ストックが急速に減少して,コロニーは飢餓に直面します.女王蜂は日長により産卵が促され,外気温が低くても影響されません.産卵が再開し蜂児圏が拡大するにつれて,幼虫への給餌需要は増大していきます.

 あなたの蜂群の貯蜜状態を確認しましょう.巣箱ごと持ち上げたり,秤に載せて重量をしらべ,貯蜜不足が懸念されるなら,キャンディーを巣枠上桟に,それも蜂球のすぐ上に置いてください.少しでもミツバチがこの給餌を消費しやすいようにとの配慮です.巣箱を包み,巣箱内の湿った布カバーの交換も忘れずに.この時期に消費される糖分は貯蜜に回るのではなく,ミツバチが消化するもの.冷え切った上置き巣箱の冷え切った蜜を摂らせる危険は是非避けるように.外が暖かくなり,ミツバチが十分採餌に飛び出せるようになれば,残ったキャンディーは回収します.密閉保存しておけば再利用できます.」

写真はBee Craft2017年1月号表紙